会社を作るなら押さえておきたい!決算月・決算期の決め方
会社を作るに当たって決算月をいつにするか?
個人事業のときは12月と決まっていますが、
法人にすると決算月は自由です。
何月でもいいという人もいますが、
決め方にも考え方があります。
この決算月の決め方によって、納税額が変わったり、
業績や資金繰りにも大きく影響したりすることもあるので、
しっかりした考えのもとに決算月・決算期を決める必要があります。
今回の会社設立お悩み相談は、個人でアパレル業をしていて、
会社を作る事になった社長からの
決算月の決め方についてのご質問です。
【社長⇒会社設立を決めたアパレル業の社長】
会社設立お悩み相談のコーナーでは、
会社設立の際のよくあるご質問・疑問点などを事例形式で紹介しています。
決算月は何月にしようかな?みんなに聞いたら3月にしてるところが多いけど、やっぱり3月かな?
会社設立を決めたアパレル業の社長
確かに3月にしているところは多いですね。
ただ、グループで統一するなどの理由がなければ他の月がいい場合も多いですよ。
税理士 物種
そうですか・・・3月で考えていたけど、うちはグループ会社でもないしな・・・
何月にしたらいいかな?
会社設立を決めたアパレル業の社長
社長のところは毎年8~9月が一番売り上げが上がる時期ですよね?
税理士 物種
そうですね。うちは、毎年8月に売り上げが上がるのですが、その分、その前の数カ月はなかなか厳しい感じですね。
会社設立を決めたアパレル業の社長
それでしたら、8月の前の6月や7月はどうでしょうか?
税理士 物種
8月の前で決算をするってこと?
会社設立を決めたアパレル業の社長
そうです。一番売り上げが上がる8月の前に決算をする事で、8月分の売上に対する納税を約1年後に行うことが出来、資金繰りが楽になりますよ。社長のところは融資を受ける予定もないという事ですし。&
税理士 物種
なるほど!
それでしたら、ラッキーセブンの7月を決算月でお願いします!
会社設立を決めたアパレル業の社長
決算月についてのまとめ
統計によると、決算月で一番多い月は3月で、全体の約20%の割合になります。
これは学校や公的機関などが年度(4月~3月まで)を利用している部分から
なんとなく3月としている場合も多いようです。
ただ、3月にこだわる必要は全くありません。
決算月は何月でも自由に決めることができます。
決算月を売上の上がる月の前にもってくる!
資金繰り(お金のやりくり)の面からいくと、売上がいい月の前を決算月にしておくことで、
その売上のいい月の利益に対する納税(利益に対して税金が発生します)
が約1年後となり、資金をその間プールする事ができます。
決算月は月末じゃなくてもOK
また、
決算月は月末ではなく、20日決算にする事もできます。
売上や仕入れの締日が20日という場合ですと、
20日決算をお勧めします。
こうすることで、
毎月の正確な業績を早く知ることができます。
例えば、5月31日が決算日で、
売上の締め日が5月20日という会社の場合、
5月21日~31日分の売上の請求書を作る時期が
翌月の締日の6月20日以降となり、それを基に計算すると
業績が出るのが遅くなってしまうからです。
締日と決算月があっているとそういった計算は必要ありません。
締日を頭に入れておく
主要な得意先・仕入れ先の締日が何日なのか?
というところは頭に入れておく必要があります。
もちろん、翌月の20日まで待たずに、帳端分(21日~31日分)を
その都度計算したり、決算月だけ帳端の計算をするということは可能ですが、
手間がかかります。
締め日を頭に入れて決算日を決めるという事は重要です。
繁忙期も考慮する
あと、
繁忙期がいつになるか?
という事も考えておく必要があります。
決算月から2か月後が申告期限ですので、
その期間は、資料をまとめたり税理士との打ち合わせなどで、
多少の時間は必要になってきます。
決算月は変更することも可能
一度決めるとなかなか変えにくい決算月ですが、
決算月は変更することも可能ですので、見直す事も必要です。
既存の法人についても、決算月が適正かどうか?
という視点は必要です。
一度、自社の決算月を見直してみてもいいのではないでしょうか。